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よくある病気・症状

熱がでたときの対応

突然の発熱 子供でも大人でも起こりますね
今のコロナ騒ぎで一層心配も多いと思います。

1)熱の高さそのものは疾患の重症度と関係ありません。

2)全身状態が落ち着いていれば慌てる必要ありません。顔色が良くない 息がしんどそう(肩で息をしている) 意識がおかしい 何度も繰り返し嘔吐する  時はすぐ受診しましょう

3)水分摂取、食事が可能であれば1−2日は家で様子見て構いません。

発熱の多くは、いわゆる ”カゼ” です。私のとってカゼとは、ウイルスや細菌などが、少し我々に悪さをしているので、それに対し体が反応している状態です。通常は、2−3日で軽くなります。症状が強くなったり、多臓器(咳と嘔吐など)にわたる症状が出てきたりする場合は必ず受診しましょう。

外来で、私の行っていることは、今現在、治療が必要な状況であるか? 治療しないといけない疾患があるか?と言うこと丁寧に見ています。例えば、中耳炎でも自分で治る範囲内であれば、抗菌剤を処方しない と言う選択も大切です。抗菌剤は、中耳炎に対してのみ働いくれればいいのですが、私たちの大切な免疫機能の一つの腸内細菌にも働いてしまい、腸内細菌が乱れ、かえって感染症の発症につながることもあるからです。

外来では、詳細に診察し、説明させていただいています。

 

院長 桝本

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎(嘔吐下痢症)が大流行しているようですが、詳しく教えて下さい 。

感染性胃腸炎は晩秋から冬にかけて流行しますが、今年は例年に比べ流行の立ち上がりが2週間程早く、県下でも大流行となっています。
この時期の胃腸炎はノロウイルスが原因であり、突然の嘔吐で発症し下痢や発熱を認めます。

通常2~3日で改善し、春先に流行するロタウイルスのように重症化することは稀です。
しかし、感染力は極めて強く保育所などでしばしば集団感染を起こします。
乳幼児例では兄弟や親に次々に感染し、家族中で嘔吐や下痢を認めることも稀ではありません。

吐物や下痢便中に含まれるウイルスが感染源となるため、予防にはこれらの適切な処理と手洗いが重要です。

(平成18年12月13日)

今年のインフルエンザ

今年のインフルエンザの流行予測を教えて下さい

インフルエンザウイルスにはA型とB型があり、A型はソ連型と香港型に分けられますが、どの型のウイルスが流行するかは、過去の流行状況、住民の抗体価の保有状況などを参考に予測が行われ、それをもとにワクチン製造株も決定されます。
しかし、予測が外れることもあり、そのためワクチンを打っていても実際には余り効果がみられない年もあります。

一般にはインフルエンザの流行は1月中旬頃から始まり、A型が先行して、シーズンの終わり頃にB型の小さな流行が見られます。

しかし、一昨年は流行の始まりが遅く、2月に入ってからB型が大流行し、A型は小さな流行に終わりました。
一方、昨シーズンは全国的にはほとんどがA香港型を中心とするA型による中規模の流行でしたが、高知県ではA香港型、Aソ連型、B型の3種類のウイルスの流行が見られるという特異な現象が見られました。
特にB型の流行はほとんど高知県だけで見られ、このウイルスはワクチンに含まれていた株とは異なる山形系統株であったことが明らかにされています。

このようにインフルエンザの流行はその開始時期もウイルスの種類も毎年異なっており、天気予報のような正確な予測は難しいのが現状です。

(平成19年1月1日)

マイコプラズマ肺炎(2)

子供が通っている小学校でマイコプラズマ肺炎が流行っているとの連絡がありました。どんな肺炎ですか?

咳と発熱が主な症状ですが、特徴的なことは乳幼児には少なく、学童以上の年齢に多いことです。
肺炎球菌などによる細菌性肺炎のように重症化することはありませんが、適切な治療が行われないと頑固な咳が続きます。
以前は4年毎のオリンピック年に流行が見られていましたが、最近はその傾向は薄れてきています。
毎年、季節に関係なく小流行が見られていますが、今年は例年にない患者数が報告されています。
学校などの集団や家族内で感染が見られることも特徴です。
治療薬としてはマクロライド系の抗生物質が有効で、日常よく使われるペニシリン系やセフェム系の抗生物質は効きません。

(平成18年8月9日)

咳込んで吐く

現在1歳半の子供ですが、生後4ヶ月で風邪を引いた時から咳をするとよく吐きます。
今年の春も咳が長引き吐いていました。吐くことは心配ないでしょうか?

乳幼児は大人と比べて咳き込むと吐きやすい傾向があります。
これは咳により腹圧が上がることにより胃の内容物が食道に逆流するためです。乳幼児期は食道と胃のつなぎ目がまだゆるいため、腹圧がかかったり、寝て横になったりするだけで胃内容が食道に逆流することがありますが、年長児になるとこのような現象はずっと少なくなります。
お子さんの場合もこのことが原因で咳き込んだ際に嘔吐しているものと思われます。
ただ、咳が長引く場合は喘息などが無いかどうか、再度かかりつけの先生に確認して下さい。
そのような原因が無ければ、成長するに従い、徐々に吐かなくなるでしょう。

(平成18年6月14日)

経口補液療法

小児の胃腸炎の脱水の治療に有効とされる経口補水療法について教えて下さい。

経口補水療法は1970年代に設備が十分でなかった発展途上国においてコレラの下痢による脱水を治療するために開発され、死亡率を激減させました。
この補液中にはナトリウムとブドウ糖が適当な濃度で入っており、この両者の併用により水分の吸収が促進されることが明らかにされています。
最近では急性胃腸炎による中等症以下の脱水にも経口補水療法が点滴と同等の効果があることが確認されました。
実際にはスプーン一杯程度の少量の経口補水液を頻回に与えます。この経口補液水は市販されており、現在流行中のロタウイルス胃腸炎による脱水の治療にも有効ですので、医師に相談してみて下さい。

(平成18年2月8日)

RSウイルス(1)

これから流行するといわれているRSウイルス感染について教えて下さい。

これからかぜのシーズンを迎えますが、小児ではインフルエンザとともにRSウイルスは重要な感染症です。RSウイルスは11月頃からインフルエンザが流行する2月頃までのかぜの原因として最も頻度が高いものです。
多くは咳、鼻水、熱などのかぜ症状で終わりますが、生後6ヶ月頃までの乳児がかかると、細気管支炎を起こし、入院が必要になることがあります。
細気管支炎になるとゼーゼーして、呼吸数が早くなり、ミルクが飲めなくなります。
さらに、治った後も、喘息に移行することが多いことも知られています。
また、早産児や心臓病を持つ子供がかかると重症化しやすく、特に注意が必要です。

(平成17年11月8日)

ウイルス感染と喘息

秋に喘息発作が多い理由と予防法について教えて下さい。

秋に喘息発作が多いのは、気温が急に下がることや、夏に繁殖したダニの死骸が多くなることが原因と考えられていました。
しかし、最近はウイルス感染が喘息発作を起こす主な原因であることが明らかにされ、特にライノウイルスが喘息の悪化に関連するウイルスとして注目されています。
ライノウイルスは春と秋に流行し、この時期のかぜ症状を起こす主な原因ウイルスです。
健康な子供はかかっても軽い咳や鼻水ですみますが、喘息児の場合は数日以内に喘息発作が誘発されます。
従って、発作を予防するためには、かぜを引かないようにすることと、薬をきちんと服用して喘息のコントロールを良好に保つことが重要です。

(平成17年10月12日)

初めての熱

生まれて初めての熱は何が原因でいつ頃出ますか?

初めての発熱は親にとっても不安が大きいものです。
一般に生後3ヶ月頃までは発熱することは稀ですが、その後、徐々に発熱するようになり、初めての発熱のピークは7~8ヶ月頃に見られます。
その原因としては突発性発疹が最も多く、その他、風邪、気管支炎、胃腸炎などがみられます。
突発性発疹になると突然39度前後の熱が出て、3~4日続きますが、咳や鼻水などの風邪症状はありません。
解熱後に発疹が出て初めて診断されます。一歳半頃までにほとんどの子供がかかります。
一方で3ヶ月前の発熱は尿路感染症、敗血症、髄膜炎などの重症感染症の可能性があるので詳しい検査が必要です。

(平成17年9月14日)

ムンプス難聴

ムンプス(おたふくかぜ)にかかると難聴になることがあると聞きましたが、詳しく教えて下さい。

ムンプスは耳下腺や顎下腺が腫れて発熱する病気です。
ムンプス難聴はウイルスにより内耳の神経細胞が破壊されて起こり、普通は片方だけ聞こえなくなります。
耳下腺が腫れて4日目から18日以内に発症します。教科書的には難聴になる頻度はムンプス患者の15,000人に1人程度とされていますが、最近の研究では実際にはもっと頻度が高く、数百人から数千人に1人と推定されています。
これは実際にムンプスウイルスに感染しても症状が出ないことが少なくないことに加え、乳幼児では難聴の発見が遅れるためと考えられています。
ムンプス難聴には治療法がないため、ワクチンを接種することが最大の予防法といえます。

(平成17年8月17日)

食中毒

カンピロバクターによる食中毒の特徴と予防法について教えて下さい。

本菌による食中毒はサルモネラ、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌に次ぐ発生頻度を示しています。
他の細菌による食中毒は夏季に多発しますが、本食中毒は5~6月に多く、真夏はやや減少し、再び9~10月に多くなる傾向を示します。
一般に汚染された鶏肉、鶏卵、牛肉などを食べて発症しますが、実際に感染源を特定することは必ずしも容易ではありません。
症状としては発熱、悪心、嘔吐、腹痛、水様性下痢などが見られ、便に血液や粘液が見られこともあります。
予防には調理の際に充分な加熱処理を行うことが重要です。
また、夏場は鳥刺しやレバ刺しなどの生肉料理は避けたほうがいいでしょう。

(平成17年7月13日)

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