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子供の健康・生活

夜尿症

小学校3年生の男の子ですが、まだ週に4~5回おねしょをします。
大きくなれば治ると聞いて、様子を見ていましたが本当によくなるか不安です。

5~6歳を過ぎても月に数回以上おねしょをすることを夜尿症といい、小学校1年生では10人に1人位の頻度です。
確かに毎年約10%ずつ治ってゆきますが、お子さんのように回数が多い場合は治療の対象になります。
夜尿症は夜間の尿量が多い多尿型、膀胱が小さいため尿をためることができない膀胱型、その両者の性質を持つ混合型の3つのタイプに分けられます。
夜間の水分を控え、起こさず、あせらず、おこらず、という従来の生活指導を行いながら、多尿型には尿を濃縮する抗利尿ホルモンを点鼻し、膀胱型には膀胱機能を安定させる薬を投与することにより多くの場合改善が見られます。

(平成18年9月13日)

保育所入園と感染症

仕事の関係で1歳の子供を4月から保育所に預けていますが、よくかぜを引きます。
体が弱いのでしょうか?

集団保育に入ったばかりの子供はどうしても感染症にかかりやすくなります。 特に乳児期後半から1歳頃はまだ免疫力が弱いため、感染症が流行していなくても、集団生活に入った最初の数ヶ月はよく風邪をひいたり熱を出したります。
決してお子さんが特別に弱いわけではなく仕方がないことといえます。
一部のお子さんは発熱や中耳炎を繰り返すことがあり、せっかく保育所に預けても度々呼び出され、仕事にならないとなげくお母さんもいます。
あまり感染を繰り返す場合は事情が許せば、しばらく自宅で見てあげることもひとつの方法です。

(平成18年5月10日)

朝食の欠食と肥満

朝食を欠食することが子供の発育に与える影響について教えて下さい。

幼児期から朝食をとらない子が増えています。
この子達は小学校低学年までは、摂取エネルギー不足により体重が少なくなりますが、小学校高学年になると逆に肥満児になりやすいことが指摘されています。
朝食をとらない子は就寝時間が遅く夜食の頻度が高いなどの生活習慣も合わせ持つものが多いことがわかっています。
さらにテレビ視聴時間が長い子も多く、運動不足となり肥満になりやすくなります。
つまり、幼児期に朝食をとらないという習慣は、実は他の肥満につながる生活習慣と深い相関があるのです。
従って、成人後の肥満や生活習慣病の予防には幼児期からの対策が重要です。

(平成17年3月10日)

テレビ・ビデオの長時間視聴と子どもの発達

長期間テレビやビデオを見ることは、子どもの発達に悪影響があると聞きましたが、どんな影響がありますか?

テレビ放送が開始されて50年。
さらにビデオ、テレビゲーム、携帯用ゲーム、インターネット、携帯電話なども普及し、子どもたちもこれらメディアにさらされる機会が飛躍的に増加しています。
特に子どもが長時間にわたりテレビやビデオを見ることが心身の発達に悪影響を与える可能性が指摘されています。
最近の研究では1才6ヶ月時点で毎日2時間以上テレビを見ている子どもは、それ以下の子どもに比べて有意に言葉の発達が遅れることが明らかにされました。
子どもは身近な人と関わりあい、遊びなどの実体験を重ねることにより人間関係を築き、心と体を成長させます。長時間にわたるテレビからの一方的な刺激はこの触れ合いを阻害し、結果的に子どもの発達を遅らせる可能性があります。
そこで日本小児科医会は以下のような提言を行っています。

(1)2歳まではテレビやビデオ視聴を控える
(2)授乳中、食事中はテレビやビデオを見ない
(3)すべてのメディアに接する時間を1日2時間までとし、テレビゲームは1日30分までとする
(4)子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パソコンは置かない
(5)親と子でメディアを上手に利用するルールをつくる。

是非一度ご家庭でこの問題を話し合ってみて下さい。

(平成17年1月1日)

身長曲線

小学校1年生の子供がクラスの中で一番背が低いようですが、検査を受けたほうがいいでしょうか。

子供の身長は両親の身長によりある程度決まってきますが、病気で背が伸びないかどうかは成長曲線を描くとある程度判ります。
成長曲線は母子手帳の中にもありますが、年齢とともに滑らかな線のグラフが5本あります。
真ん中の太い線が平均的な身長を表し、この線をはさんで上下2本ずつ細い線があり標準的な成長範囲を示しています。
今までの身長をこの成長曲線上にプロットしてみて下さい。身長が低くてもこの曲線に沿っていれば問題はありません。
しかし、一番下の線から外れたり、途中まで曲線上に沿っていたものが下の方に外れてしまった場合は病気の可能性があるので、小児科医に相談してみて下さい。

(平成16年)

白血球とCRP検査

外来で行われる血液検査の白血球とCRP検査の意義について教え下さい。

乳幼児の発熱の多くはかぜなどのウイルス感染によるもので、抗生物質は効きませんが、細菌感染には抗生物質が有効です。
細菌感染の場合は発熱の直後より白血球が増加し少し遅れて急性炎症蛋白であるCRPも上昇してきます。
逆にウイルス感染の場合、白血球はむしろ減少しCRPもほとんど上昇しません。
乳幼児は診察所見だけでは感染部位や原因が判らないことがあり、この2つの検査は外来で簡単にできて診断と治療に役に立ちます。
検査の結果ウイルス感染と考えられる時は熱が続いていても解熱剤などを投与して対応すればよく、逆に細菌感染の場合は抗生物質の投与が必要になります。

(平成15年8月10日)

保育園

子どもが4月から保育園に入りますが、入園前に何か気をつけておくことはありますか?

初めて集団生活に入ると子どもはかぜをひいたり伝染病にかかりやすくなります。
そのためにも予防接種は必ず受けておきましょう。
すべての乳幼児が接種することを勧められている定期予防接種はBCG、ポリオ、3種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)、麻疹(はしか)、風疹、日本脳炎です。
これらの予防接種を受けているか入園前に母子手帳を見て確認して下さい。
特に麻疹は重症化しやすく合併症で死亡することもある恐ろしい伝染病なので必ず予防接種を必ず受けておいて下さい。
水疱瘡やおたふくかぜは任意接種になっていますが、まだかかっていないお子さんは受けておくことをお勧めします。

(平成15年3月12日)

成育医療

最近、成育医療という言葉を耳にしましたが、どういう医療なのか教えて下さい?

成育医療とは従来の小児医療の枠を超えた、人のライフサイクルに沿った継続的で総合的な新しい医療概念です。
人は生を受けた後、乳幼児期、学童期、思春期を経て成人になるわけですが、それぞれの時期に特有の医療的問題があり、またそれにともなって心理社会的問題も生じてきます。
今までの小児医療は小児期に発生した病気を小児科医が治すという比較的単純な考え方で行われてきました。
大学病院の小児科や小児病院で難病の治療と研究に取り組んできた結果、以前は助からなかった子どもたちの多くが治るようになりました。
例えば小児白血病もその約70%は治るようになり、多くの元患者たちが病気を克服して成人しています。
しかし、一部の患者は治療による後遺症に悩み、進学や就職の時差別されこともあります。
また、結婚しても健康な子どもを持つことができるかという不安もあります。
このような複雑な問題を抱えた患者には小児期から成人期までの継続的な医療が必要であり、体の問題のみならず心の問題への対応も欠かせません。
そのためには小児科医だけでなく内科、産婦人科、精神科などあらゆる診療科の医師が協力して、真に患者の立場に立った医療を提供してゆくことが必要です。
このような医療が成育医療であり、昨年4月には日本で初めての成育医療センターが東京にオープンしました。

(平成15年1月1日)

未成年者の喫煙

未成年者の喫煙が増えているそうですが本当ですか?

ごく普通の中学校でも生徒の3~5%が常習喫煙者とされ、高校生では過半数が喫煙者という学校もあるほどです。
現在、喫煙はニコチンによる薬物中毒との考えられていますが、子供は成人と比べて早期にニコチン中毒になりやすいことが判っています。
興味半分で1本すってみただけのつもりが簡単に止められなくなってしまうのです。
また、吸い始める時期が早いほど将来、心筋梗塞や肺がんなどで死亡する確率も高くなることも明らかになっています。
子どもにタバコを吸わせないためには、周りの大人が喫煙している姿を見せないことが重要です。
最近は敷地内を前面禁煙にする学校も少しづつ増えてきています。
今は禁煙を希望する人には、ニコチンパッチをはじめ様々な禁煙を支援する方法が発達してきており、以前より禁煙の成功率は高くなってきています。

(平成14年12月11日)

不慮の事故

1歳になる子供がいます。不慮の事故を起こさないためにはどのようなことに気をつけたらいいでしょう。

0歳を除いた小児の死因の第一位は不慮の事故です。従って、事故を防止することは小児の重要な健康問題といえます。
その原因としては交通事故が一番多く、溺死、窒息、火傷などが続きます。
溺死の80%は自宅の浴槽で起こっています。
浴槽の縁と洗い場の高さ50cm未満の場合は危険性が高く、残し湯をしないこと、浴室に鍵をかけて乳幼児が入れないようにしておくことが大切です。

また、気管に物を詰らせる事故としてはピーナッツなどの豆類が最も多く、2歳までの子供には乾いた豆類を食べさせないことが大切です。
乳幼児の事故を防止するため家庭内の環境や生活習慣をチェックする20項目からなる質問表ができています。
一度かかりつけの先生に相談して、皆さんも家庭内の環境をチェックしてみて下さい。

子供の事故を防ぐのは周りの大人たちの責任です。

(平成14年5月8日)

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